君の絵がカードになる
− 楽しみながら覚える基本操作 −

2002.4/24作成
2009.5/10更新

 初めてカード作りを指導したのは、なんと2002年のことなんだなあ。以来、回を重ねて指導も手慣れたものになってきた。はらきんのなかでも成熟した(?)実践であり、周囲の先生方からも評価してもらっているものである。毎年実施している、はらきんの代表的(と勝手に思っている)実践なので、今年の写真も入れながら、再度公開することにした。



下書きを作る
まずは、下絵を描いてくる用紙を配る。
どうってことない用紙だが、コツとしては、できあがるカードは名刺サイズの小さなものであっても、少し大きめの下書きを作らせた方がよい。また、パソコンの塗り絵である性質上、図柄は閉じられた領域の集まりでなければならないから、「塗り絵」を例に描き方を説明しておく必要がある。これが十分でないと、線画のみで着色できない部分があったり、下絵に色まで塗ってくる児童が出てくる。どのような原稿を描いてくるのか、これからどのような作業をするのか、最後に何ができるのか。パソコンを使う経験の少ない子は説明だけでは分からないこともあるので、用紙に写真を3枚印刷している。
 原稿はスキャナで読みとるので、濃い鉛筆か、良く書ける名前ペンなどがいいだろう。線が薄いと読みとりがかすれて、色がはみ出して塗り絵がうまくできないことがある。問題のある原稿は後述のように手直しするのだが、あまりに多いと大変なので、失敗は最小限にしたい。領域が細かすぎると色をつけることがむずかしくなる注意は、用紙の説明にもしっかりと書いた。
 説明の時にサンプルを見せるのもいいが、図工の時によく見られるように、同じような作品ばかりになる危険性もある。昨年のデータはすべて残っているが、どれをサンプルとしてみせるか結構考える。

(平成21年度は2年生の担任だったので、カードを塗る前に、塗り絵の操作を練習する時間を1時間取った。)


原稿を読みとる
 次に、子どもたちが描いてきた原稿をスキャナで読みとる。
読みとってから修正するのは大変なので、薄い原稿は原稿の段階で直しておいた方が作業は楽だ。写真の原稿で、赤い線が直したところである。

 読みとりの設定は、「線画」または「白黒2値」。しきい値は通常より少し高めにしておくと、はっきりと原稿を読みとることができるが、あまり高くしすぎると、原稿のしわや消しゴムの跡まで読みとってしまうのでほどほどに。

 原稿を読みとったら、一度ペイントなどに読み込んで、主な箇所に色を落としてみる。白黒2値の画像はそのままでは着色できないので、いったん多色モードに変換して保存する※。色が漏れてしまうと塗り絵ができず、そのような作品が多くなると授業がわいてしまう。イントラバケッツが扱う画像のデータ形式はBMPとJPEGだが、JPEGでは、画像が圧縮されるときに黒い線と白の背景の境目にいわゆる「色のにじみ」ができて、色が領域全体に広がらない。保存時の圧縮率を低くするのも方法だが、BMPで保存する方が確実だ※※。
 他の教科と同様、指導する児童の学年が低いほど、教師の手間が多くなる

※ペイントの場合、「名前を付けて保存」するときのファイルの種類で「24ビット ビットマップ」を選んで保存する。
※※読み込むときはBMPであっても、いったん保存するとJPEGになる。保存して次の時間に続きをしようとすると「にじみ」が発生するので、パソコンによる着色は1時間で終わらせる必要である。


パソコンで着色する
 いよいよパソコンで着色する段階になった。正規の授業時間を使うのは、この1時間だけである。
学習展開
教師の支援
備考
1 学習のねらいを確認する。 1 学習のねらいを確認する。
 「絵にパソコンで色をつけよう。」
 

2 画像を読み込む。 2 画像を読み込む。
 白紙からの作成は困難なので、テンプレートを用意する。

 読み込む領域内でダブルクリックすると、領域の周りが
赤くなり、ツールボックスが表れる。ダブルクリックが十分で
ない児童もいるので、「周りが赤くなるまで・・・」と言うのが
指導のコツ。それでもうまくいかない児童は、手を添えて
マウス操作の感覚を教える。


自分の絵が一覧に表れると結構感動するものらしい。
画面のスクロールでつまずき、自分の画像を見つけられない子も
いる。
友達の作品を仮読み込みして鑑賞している児童も。
テンプレートは、スクロール
させる必要がないように、初
期画面内に収まるように設計
する。



線の色の意味を教えるのは
結構重要である。
3 着色する。 3 ツールボックスや着色のポイントを知らせる。
 ・ 「えんぴつ」「ブラシ」「消しゴム」などの基本ツールを教える。
 ・ 狭い箇所の塗り方 >ブラシのどの部分を注視すればよいか。
 ・ 線の上に色を落とすと、線の色が変わってしまう。
 ・ 失敗したときの操作 >アンドゥ、再読込

絵に着色していく2年生。その目は真剣だ。
 
 マウスの持ち方が悪く、
ソフトのコマンドが選択で
きなかったり、思ったところ
にカーソルを移動できない
児童がいる。

 やり直しが容易なことが
パソコンの長所であることを
伝える。
4 保存する。 4 作品を保存する。
 ・ ファイル名は出席番号を使う。
 
 自分の番号をしっかり覚え
ていなかったり、年度初めに
転校生があると番号がずれ
ていることがあるので、名簿と
つきあわせながら保存する。
隣の子の保存の操作を見て
早合点する児童もいるので、
最初は徹底させたい。


完成!
 児童が書いた絵を印刷し、ラミネートしてカードを作る。
 画像は、作品のフォルダの中から取りだして印刷する。印刷時の画像の大きさを簡単に指定できるソフトを使って印刷すると能率的である。「一太郎」などの市販のワープロや図形ソフトであれば、ルーラーを使って大きさを指定できる。使い慣れたソフトで大丈夫だろう。

児童の作品フォルダの中の画像のみを
取り出す。
 
今年はかわいい作品が多かった。裏面は時間割に
なっている点が昨年までとちがうところ。
 
ラミネートして仕上げる工程を児童の前で実演。
文字通りできたてのホヤホヤを配る。
 
カラフルなカードができた。
 
 

 子どもの標準的な筆箱に入ることがポイントで、名詞くらいの大きさになるように作る。昨年作ったカードを筆箱の中に大切に持っている上級生もいるほどである。カードの図柄は全くの自由だったので、小学生としては幼稚なものも見られるが、子どもたちは一生懸命つくった。裏面を時間割にすることで、カード作りに多少意味を持たせることができた。

2年生でも実施
 はらきんは2009年度は2年生の担任となった。コンピュータに対してほとんど経験を持たない状態からできるものか試してみたが、意欲的に活動してくれた。絵の図案を見比べてみると、やはり2年生だなあと感じる他は、前任校で3年生に実施したのと同じようにできる。操作学習の導入として有効な活動だと自信を深めた。
 また、カードに使った画像を大きめに印刷すれば、教室掲示としても使える。パソコンの絵は色が鮮やかなので、見栄えのする掲示物になる。2枚目以下も簡単に印刷できるので、新学期当初の掲示物不足時には重宝する。これを見た保護者が授業参観後に、「本当にうちの子が作ったんですか?」と驚いていた。



by harakin